IziphoZam2007-12-12



Justaband / Justaband
 (2006, Say Sumthin Records)



 A Touch of JazzやLow Budgetのクルーが多数活動拠点としている、ワシントンはメリーランドの5人組ソウル・バンド、Justabandのデビュー・アルバム。
 またもやチェック逃しの素晴らしいアルバムを発見しました。どこまで生ドラムで生ローズとか詳しい器楽編成はあまり分からないのですが、白眉なM-3「Deeper」やM-5「The Feeling」等バンド形態とは思えない緻密なネオソウルの温かい空気を出していて、フィリーやA Touch of Jazz周辺の音が大好きな人にはほんとたまらない作品だと思います。なかなかこういうバンドっていなかったような気がします。ボーカルのSteve Smithの声がEric Robersonにそっくりです。今年ようやくデビューを果たしたBilal Salaamがゲストで参加。

【関連サイト&試聴】
http://www.myspace.com/justabandonline
http://cdbaby.com/cd/justaband

IziphoZam2007-12-10



Rawkus 50 Presents ......
 (2007, Rawkus)



 レーベル復活のアナウンスからなかなか活発な動きの見られなかったアングラ老舗Rawkusが、前人未到の新作アルバム50枚を同時に配信リリース。


 いやはや驚きました。どこかのメジャー会社でもなかなか50枚のアルバムを同じ日にリリースすることなんてここ最近そんなにないのに、まさかRawkusさんがこんなことしてしまうなんて。噂でしか知らないですが、やはり充電中にマネジメント部分をしっかりとリカバリーしたとかなんですかね。
 兎にも角にも今回のこのリリースは、枚数だけでなく全ての作品の内容自体も素晴らしいです。アーティストの活動している地域も特に絞らず、ホントに若手からベテラン、アマチュア的な人からかなり名を馳せている方まで、まさRawkusらしい人選。私は正直、後追いのヒップホップ好きなので、このレーベルに関して諸先輩方に比べたら全然詳しくはないのですが、Talib KweliやMos Defの輩出を代表例として個人的にアングラとメジャーの橋渡し的な良質レーベルだったと思ってます。今回もリリースも同様で、根本の良質なヒップホップにこだわってそのような様々な作品群のリリースに至っているのではないかと。詳しく調べてないので、あくまで主観ですが。何はともあれ、ほんとにどれも良いのでお金に余裕のある人はドンドン試聴してみて手に入れてみてはいかがでしょうか。有名なとこでは昨年デビューアルバムをリリースしたレペゼンNYのDoujah Raze、Justus LeagueのメンバーL.E.G.A.C.Y.、KamakazeことKaze、来年アルバムリリースの待たれるCounterflowからのデビューシングルでも知られるDynas、Platinum Pied Pipersのアルバムにも参加したFinale、A Touch of Jazz&Low Budgetクルー周辺組のご存知Roddy Rodd、Cy Young、Kaimbrといったとこでしょうか。やはり最後の3アーティストがズバ抜けてかっこ良すぎです。

【関連サイト&試聴】
http://my.rawkus.com/group/rawkus50
(各アーティストのリンク先のウィジェットで試聴できたりします)

IziphoZam2007-12-05



Pieces of Peace / Pieces of Peace
 (1971, --------)
 (2007, Quannum Projects / Cali-Tex)



 ご存知DJ ShadowことJosh Davisを中心としたクルーで形成されるQuannumから、1971年に録音されながらもお蔵入りとなっていた7人組ソウル/ファンク・グループの幻のアルバムが再発。
 最近新旧問わずソウル・フィーリンでレアグルービンな音にめっぽう弱いのですが、これまた良いものを手に入れました。上記の彼と
Dante Carfagna(Express Rising)、Rob Sevierが発掘/再発に関わったみたいです。サウンドは、自分が今一番好きなミディアムなソウル〜ファンク中心でメロウなナンバーも搭載していて、71年・シカゴということでその手の音楽の60〜70年代隆盛期好きにはたまらない作品ではないかと思います。以前紹介したThe Pharoahsなんか好きな方にオススメやもしれません。

【関連サイト】
http://www.solesides.com/index.php?page=release&id=100
【試聴】
http://www.junodownload.com/products/1266423-02.htm
http://www.cduniverse.com/search/xx/music/pid/7514309/a/Pieces+Of+Peace.htm

 

IziphoZam2007-12-03



Trus'me / Working Nights
 (2007, Fat City)



 シカゴの良質ハウスレーベルStill Music傘下のLove 4 Musicからのシングルが話題となったリエディット・アーティスト、Trus'meのデビューアルバム。
 老舗ながらもコンスタントにフィールライク・ジャズ/ソウル/ファンクなヒップホップ〜クラブミュージックを届けてくれるマンチェスターのレコ屋/レーベルFat Cityからリリースされた今作品は、70年代のジャズファンク〜ディスコ〜ソウルの香りが漂うデトロイト系のビートダウン黒汁ハウスで、ディスコや同上の音楽を封じ込めたStill Musicの長所を詰め込んだような作品。Marvin Gaye「What's Happening Brother」をネタに用いた、シングル曲のニューverの長尺トラック「W.A.R.」がやはり秀逸。いろんなトコのレコメン通りMoodymannとか好きな方にオススメです。

【関連サイト】
http://profile.myspace.com/index.cfm?fuseaction=user.viewprofile&friendid=25998553
http://www.fatcity.co.uk/sales/pages/MusicPageRichMedia.aspx?pageid=12829
【試聴】
http://www.cisco-records.co.jp/html/item/004/069/item452862.html
http://www.rushhour.nl/store_detailed.php?item=43011

IziphoZam2007-12-01



Electric Conversation / Communication
 (2007, Futuristica Music)



 フランスはパリをベースに活動するプロデューサー/シンガー集団Electric Conversationのデビューアルバム。リリースはBreak ReformのSimon S主宰レーベルFuturistica Musicから。
 ここ最近ずっと動きのないBreak Reformですが、フロントマンのSimon Sのレーベルがヤバイです。彼のDJスタイルのように、昨年のLow Budget Soulもそうでしたが、どれもサウンドがソウルを基軸とした彼らの音を更に洗練させたかのような音楽で、且つアルバムのクオリティが素晴らしく高いです。このElectric Conversationも同様でNu Soul的なサウンドをベースに、ブロークンビーツといったビートコンダクトも披露したりしていて、温もりを感じるような浮遊感たっぷりの空気とフランス語と英語を巧く使い分けた歌声がとても心地良く、ラップを所々に入れるとこも素敵です。Jay Deeへ捧げた曲なんかもやってますしね。
 メンバー各個人のキャリアなどは分からないのですが、アルバムリリースが待たれる同じフランスのヒップホップアーティスト=Jazz Liberatorzとも共演を果たしたりしていて、早くからGilles Peterson、Patrick Forgeさんから注目されていたとか。そんな活動と注目度からかゲストにブラジルで人気沸騰中の女性シンガーPatricia Marxや、Silhouette Brownのメインボーカルを担当したDeborah Jordanなどが参加。The Foreign Exchange『Connected』とか好きだった方にオススメのこの時期にぴったりの作品です。

【関連サイト】
http://www.futuristicamusic.com/ec.html
http://www.rfnr.net/rfnr_1007/index.html
【試聴】
http://www.soulseduction.com/common/item_detail.php?ItemID=175415
http://www.kudosrecords.co.uk/index.php?page=detail&product=fmcd004

IziphoZam2007-11-27



Bill Wells & Maher Shalal Hash Baz
 / Osaka Bridge

 (2006, Karaoke Kalk)



 The Pastels主宰Geographic周辺で活動し、その独特のジャズ・スタイルでスコットランドのアーティストからこよなく愛されるピアニストBill Wellsと、ストレンジなポップスタイルで人気の同レーベル所属日本代表Maher Shalal Hash Bazとの、今は無きライブハウス大阪ブリッジでの2004年の公演を収めたライブアルバム。
 いろんな音楽を聴くようになっても、やはりこよなく好きだったものは忘れられずついチェックしてしまいますよね。私、元々グラスゴー周辺のロックが好きだったので当然の如くGeographicが大好きだったのですが、中でもこのピアニストBill Wellsが大のお気に入りでした。その独特のポップなスパイスを入れた音楽がとても新鮮で、ジャズに興味が沸いたきっかけでもあり、Geographicを愛好するきっかけともなりました。少々自慢になりますが、大金はたいて自主制作盤も集めたというオバカなときもございました。一方のMaher Shalal Hash Bazも大好きで、同レーベルのコンピに収録された曲にこれまた惚れてしまいました。聴いた当初は全く日本人と思わなかったのですが、よく聴くとやはり日本人が作っているせいなのか、琴線に触れる和やかなメロディーがいつも心に残っていました。
 本作はレーベルメイトでもあるそんな彼らの、貴重なジョイント日本ツアーの大阪公演でのライブを収めた作品で、ロマンチシズム感じるピアノや朗らかなホーンセクションなど双方の特徴的なゆるゆるポップ/ジャズ・サウンドが混在した、とても懐かしい匂いを感じる優しい質感をもっています。相変わらず時折入れられる口笛が憎いくらいたまりません。

【関連サイト】
http://www.myspace.com/decablisty
http://www.dominorecordco.com/site/index.php?page=artists&artistID=86
【試聴】
http://www.boomkat.com/item.cfm?id=21452
http://www.dotshop.se/ds/release.php?code=KALKCD35

 

IziphoZam2007-11-26



Hypnotic Brass Ensemble / Green
 (2005, Self-released)



 ニューヨークはクイーンズをベースに活動するシカゴ出身の黒人8人組ブラスバンド、Hypnotic Brass Ensembleの自主制作アルバム2枚目。


 自分としても情けないです。こんなカッコイイバンドがまだまだいたとは全く知りもしませんでした。やはり世界は広いです。 何かのラジオでかかってて直ぐググってitunesで見つけたのですが、素晴らしすぎてココのところヘビロテしまくりです。最近、Johnny Pateが手掛けたブラックムービー・サントラ「Shaft In Africa」のカバー&Bulljunのリミックス収録のシングルで日の目を浴びているみたいですね。
 彼らの公式ブログでも彼らの詳しい略歴について知ることはできなかったのですが、2004年頃から路上にてライブ活動を始め、主にトランペット4人、トロンボーン2人、チューバ1人、ドラムス1人の8人編成(最近はバリトンの方も入ったような)で、最近レアなシングル編集盤がリリースされた、初期Sun Ra Arkestraのメンバーで親指ピアノ(カリンバ)を世に広めた人としても知られるPhilip Cohranの息子さんも在籍しているとか。最近は世界中を飛び回ってライブを精力的に行っているらしく、Charlie Dark(Attica Blues)のイベントに参加したりMos Defと共演したりしているみたいです。
 サウンド的には革新的だとは言えないのですが、基本のブラスバンド・スタイルの中にポップだったりシナトラ的にエンターテイメント風だったり、かと思ったら、疾走感あるファンクだったりエキゾな感じだったりチルな和みだったりと、音の彩りがホント豊富で聴いていて楽しいです。itunesでは2004年2005年に出た自主制作盤が手に入るので是非聴いてみてください。だいぶ昔に紹介したYoungblood Brass Bandとか好きな方にはドツボではないかと思われます。

【関連サイト&試聴】
http://www.hypnoticbrass.blogspot.com/
(試聴は“HYPNOTIC shareZ”の下のファイル達をクリックすれば聴けます)