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・Roots Underground / Tribesman Assault
(1977, Wackies)
(2003, Wackies)
ワッキーズの中でも人気のあるらしい、ドラマーでもあるJah Scottyを中心としたReckless Breedを母体としたらしいRoots Undergroundのダブアルバム。
どこかで聴いた「Dread Feeling」にズキュンやられて即買いしてしまいましたこの一枚。いいです。ワッキーズはいろいろ再発とか出てて良さそうだなーといつも思うのですが、恥ずかしながら今作が初ワッキーズ。正直、飛びぬけてダブ加減がぶっ飛んでたりっていうわけではないのですが、水の滴りのような心地よい程よいドラムのエフェクト処理に、ブリブリしすぎていないゆらゆらなベース、ループを多様したギター等、ダブダブな人にはちょっと物足りないような気がしますが、絶妙にタイトでスカスカした感じと少々哀愁気味のアフリカ黒汁スパイスがファキエスタ気味の方にとってはとても心地よい作品だと思います。紅葉の秋空に聴きたくなるユルユルなアルバムです。曲の流れも最高で、最後の唯一のボーカル曲K.C. WhiteとLovejoysが歌う「Open The Gates」が激渋。
【関連サイト】
http://www.basicchannel.com/item/W-0038
【試聴】
http://www.junodownload.com/artists/Roots+Underground/
http://www.cisco-records.co.jp/html/item/001/046/item45990.html
http://www.boomkat.com/item.cfm?id=20956
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・Flowriders / R.U.E.D.Y.
(2007, Mr. Bongo)
4 luxからリリースしたデビュー作がここ日本でも好評だった、プロデューサー/ビートメイカー/キーボーディストであるVincent Helbersを中心としたEU圏内ブギーバンド、Flowridersが2ndアルバムをリリース。
気鋭なブギーを届けてくれるオランダの4 luxの中でも随一のソウル/ブギーセンスを持ち、かつ生演奏とエレクトロニクスをいい塩梅用いてブロークンビーツ〜ヒップホップ的なものも聴かせてくれた彼らの新作は、ブラジルもんなどワールド系中心に新旧問わずに良い音楽を届けてくれるMr. Bongoからリリースで、前作同様70〜80年代の香りも匂わせるサウンド・プロダクションですが、今回はジャズ的な生器楽が増えたような気がします。M-1「The Story Part 1」とかThe Soulquarians風なM-13「Experience」とか。Co-oPでもよくかけられるシングル曲M-3「Roll On」、M-9「Russelology」がやはりいい感じです。ここら周辺でおなじみNia Saw、Spoonface、Colonel Redらが参加。
【関連サイト】
http://www.flowridersmusic.com/
http://www.mrbongo.com/Flowriders.255.0.html
【試聴】
http://www.rushhour.nl/store_detailed.php?item=42651
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・Lee McDonald / Sweet Magic
(1981, Debbie)
(2002, Soul Brother)
ニュージャージーの小さなレーベルから密かにリリースされた、シンガー=Lee McDonaldの80年代モダンソウル名盤として名高いアルバム。
ソウル初心者の私は最近フランスのハウサーPatchworksがリミックスしたことで知ったんですが、諸先輩方にとってはとてもレアなアルバムみたいで。詳しい経歴については分からないのですが、フリーソウル系でも取り上げられる上述のシングル曲でもあった涙もののメロウソウル、The Carpentersのカバー「We've Only Just Begun」やドラマチックなサビ・コーラスにやられるEcstasy Passion and Painのカバー「I'll Do Anything For You」がやはり秀逸ですが、全体的にも70年代な香りのするストリングス・アレンジがまた憎いです。ちょうど私が生まれた年にリリースということもあってかなり大好きになっちゃいました。何だか最近こういう音に弱いです。
黒汁通信によると未だ現役で歌ってらっしゃって、ゴスペル新録ものもあるそうな。てかそんな情報まで仕入れられる某お店はやはりすごいですね。
【関連サイト&試聴】
http://www.soulbrother.co.uk/leemcdonald.htm
http://www.mh-friends.com/shop/index.cgi?SEL:A=1&andor=1&targets=1&Keys=Lee%20McDonald&
http://www.juno.co.uk/artists/Lee+Mcdonald/
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・Roddy Rod / Cuba After Market
(2007, Humble Monarch Music)
現存するヒップホップ・トリオでは最高峰と謳われる、レペゼンNYC=Maspykeのメイン・プロデューサーRoddy Rodの別名義Cuba After Marketのファースト・アルバム。
どうもお久しぶりです。長い間ブログ更新を休止していた理由は割愛させていただくとして、今年ブロークンビーツ/ヒップホップのアルバムはあまりパッとしないという方に是非ともオススメしたいアルバムがようやくリリースされました。
元々Maspykeが好きならばmyspace経由で既に要チェキ済かと思われますが、いやー激震です。私も同様に去年たまたまページを見つけて何曲か聴いていて、ほんと待ち遠しかったリリースという感じです。Maspykeの作品では、彼のつんのめったビートやソウルネタに独特の加工を施した中毒的なサンプリング・ループが好評でしたが、今名義では主にカリビアンなパーカッションやエレピ・サンプル、タイトなビートを用いてヒップホップ以上ブロークンビーツ未満的な音を鳴らしていて、中南米的なオーガニックな味わいがとても心地よいです。涼風感じたいけど、ブロークンに踊りたいという今の気分の方にはオススメです。ゲストにLow Budget Crewでお馴染みWayna、Muhsinah、新星Bilal Salaamが参加。Wale OyejideのScience Fiction的なノリですかね。個人的には今年最高傑作かと思われますメーン。
【関連サイト&試聴】
http://profile.myspace.com/index.cfm?fuseaction=user.viewprofile&friendID=75414471
http://www.soundtable.co.jp/item_detail.php?id=13445
http://www.fatbeats.com/catalog/product_info.php?products_id=6030
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・Oddisee / Instrumental Mixtape Vol.2
(2006, Halftooth)
DJ Jazzy Jeffの大名盤『Magnificant』に参加していたTouch of Jazz系列随一のビート・クリエイター、Amir MohamedことOddiseeの2004年から2006年までの仕事集。
Touch of Jazz周辺大好きな方ならご存知のOddiseeは、1999年頃からParliamentのGary ShiderやFunkadelic、Talib Kweli、J-Live、Asheru、Little Brotherなど仕事経験をもち、以前紹介した同郷育ちのKev BrownやCy Young、Ken Starrらも所属する“Low Budget”なるコレクティヴも主宰するヒップホップ・プロデューサー。自分が彼について初めて知ったのは。彼が所属するHalftooth Recordsのコンピで、Touch of Jazz一派独特のソウルフルな空気感はもちろんですが、何と言ってもそのビート・メイキングにやられました。今作はその彼が2004〜2006年で制作したトラックをミックスしたフル・アルバムへのプロローグ的作品で(去年のGe-Ologyみたいな感じ)、彼のヒップホップのリズムやビートの鳴りへのこだわりが聴ける内容で、アナログの質感を大切にしたようなソウル・ネタ・サンプリングを軸に、Ummah系の浮遊空間やSa-Raを始めとする次世代ヒップホップにも通ずるトラックなど、彼の多彩さがとてもうかがえる内容です。試聴がないのが残念ですが、店頭で見つけたらバイすることをオススメ致します。インストで通して聴けるアルバムって以外とないですからね。
【関連サイト】
http://www.halftooth.com/
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01. Sun Ra & His Solar Myth-Arkestra / Outer Spaceways Incorporated - BYG 02. Avila Brothers / I Want You - Thump 03. Basic Vocab / Com Get With It - AVX 04. Charlie Mariano / Glenford Crescent - Warner 05. Cortijo Y Su Combo / La Tercera Guerra - Coco 06. Latin Fever feat. Nancy O'Neill / Volvere Algun Dia 07. The Prime Element / Lola - Trova 08. Nino Moschella / Better Off - Ubiquty 09. Maya Azucena / Too Much - NUmediaNY 10. Flying Lotus / 3beatsfrombrazil - Unreleased 11. T3 feat. Mu / Detroit - Donut Boy 12. Soulphiction / State Of Euphoria - Sonar Kollektiv 13. Art Bleek / Wanderers Creek (Umodomu Mix) - Loungin 14. Inverse Cinematics / Detroit Jazzin' - Pulver 15. Rondenion / Shake Dance - Still Music 16. Voice / Guerilla Hustlin - Public Transit 17. Freeform Five / Electromagnetic (Seiji Remix) - Fine 18. 9th Creation / Sexy Girl - Rite Track 19. Aloe Blacc / One Inna - Stones Throw 20. Pete Kuzma feat. Bilal / High & Dry - BBE
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・Dabrye / Two/Three
(2006, Ghostly International)
デビュー当時ポストPrefuse 73と騒がれていたTadd Mulliniのエレクトロ/ヒップホップ・プロジェクト、Dabryeの5年ぶりとなる2ndフルアルバム。
今年はヒップホップが不作だなーと思っていたら、久々にぶっ飛ばされる作品に出会いました。1st、Eastern Developmentsからのミニ・アルバムでもPrefuse 73とデトロイトの空気を合わせたような独特の作風で楽しませてもらいましたが、今作はBling 47〜Jay Dee系サウンドを更にエレクトロへ傾倒させたような、更に洗練された次世代デトロイト・ヒップホップ。ゲストも超豪華でWaajeedやGuilty Simpson 、Invincible、LacksことTa’Raach、Jay Dee、Phat Katといった同郷のアーティストからWildchild、MF Doom、Vast Aire、Beans、AG、Big Toneらが参加。これはホント衝撃的な素晴らしい内容です。是非試聴してみてください。