LAアンダーグラウンドコミュニティー特集 Vol.5

・Adventure Time / Dreams Of Water Themes
　(2003, Plug Research)
　〔Breakbeats〕
　DaedelusとFrostyによるユニット‘Adventure Time’の記念すべき1stアルバム。先行7インチシングル「Hi-Top Fade Parade/My Petite」がかなり良かったので相当期待してたんですがこれがまた素晴らしいんです。二人の経歴については過去に紹介済みなので音のほうを。
　「遠い彼方の、架空の地図上のカット＆ペーストの冒険」。と、Plug Researchのレビューにも書かれているように、あくまで実験的な曲というイメージではなく、遊び心が溢れた冒険的なアルバムですね。また、ゲストにはLA SymphonyのPigeon John[M-3]、ワールドワイドに歓呼される詩人Saul Williams[M-8]とSacajawea(Mia Doi Todd)[M-8]といったLAのミュージックシーンでも影響力の強いタレントを迎えております。ジャケット（かわいいのかな？）のデザインのように、荒れた大海の上で、子供の海賊がネコやウサギのぬいぐるみたちと、海底にある宝箱を守る深海の生物たちと格闘しようとしています。ってすいません（笑）。でもホントそんな感じなんです。もっと具体的にいうと、ヒップホップ/ダウンテンポ/ドラムンベース的なブレイクビーツは変わらないんですが、コンセプトからか湿った感じのドラムに、ファンクネス溢れんばかりのベースライン、世界各国の民族楽器や街中の音ネタやDaedelusお得意のオシャレ系声ネタが乗っかったりと、耳が世界中を航海して各国の様々な音をその都度吸収していってる感じですね。聴いている人にとってはもう宝箱を開けてしまったようなものですね（笑）。このアルバムは流れとして好きなのですが、
　中でも11曲目の「Kappabashi」は圧巻ですね。鬼ごっこを楽しむ子供たちの声と豆腐屋の懐かしい笛の音から始まったと思えば、Daedelusビートが刻み始め、キレイな旋律のピアノがリズムよく鳴り響き、徐々にエフェクト/エコーされていくヴィブラフォンと延々と打たれるとジャジーなハイハットの音、そしてさっきの豆腐屋の笛による叙情的なメロディーがサウンドスケープをさらに彩ってくれます。今更ですがもうこの人のビートは唯一無二ですね。もう最高。。ジャケットにだまされずに聴いてみてください。

【関連サイト】
http://www.plugresearch.com/
http://www.daedelusdarling.com/
http://www.dublab.com/