Jazzの車窓から

IziphoZam2004-11-05

Chivo Borraro / Blues Para Un Cosmonauta
 (1973, Trova)
 (2002, Whatmusic)

 アルゼンチンのコルトレーン的存在のサックス奏者Chivo Borraro(チボ・ボラロ)が73年に発表した、エレクトロニクスをも取り入れた傑作前衛的スピリチュアルジャズアルバム『Blues Para Un Cosmonauta』。いろんなとこのスピリチュアルジャズのコーナーにあってこのジャケと題名にやられて即入手してしまいました。だって、宇宙をバックに魂を込めたような顔してサックス吹いてるジャケと、‘宇宙飛行士のためのブルーズ’なんてタイトルのアルバムあったらハズレなはずがないと思ってしまいますもの。
 チボ・ボラロはブエノスアイレス出身で、サックス奏者にとどまらず建築家や画家、デザイナー、写真家としても活動していた人物で、アルゼンチンのジャズフリークの間では誰もが愛する存在らしいです。そんな彼はアルゼンチンのコルトレーンとも呼ばれ、今でも世界中で愛されているそうです。私はこの作品しか持ってないので何とも言えないのですが、彼なりのコルトレーンの解釈が窺えるような吹き方をしています。それとやはり曲全体にも敬意が現れているようにも思えます。「La Invasion De Los Monjes」[M-4]なんかは特に現れている曲だと思います。もちろんそう評されてるだけの曲もあるんですが、私がこの作品で好きなのはやっぱ「Lineas Torcidas」[M-1]にみられる、鈴の音とブラジルのキーボード奏者Fernando Gelbardのエレピの音色が静かに響くだけの静寂空間の中で奏でられるブルージーなサックスと、南米独特の風景を思わせるギターの哀愁がとても好きです。私が聴いてきたジャズでは一番キレイな宇宙空間を演出しています。疲れて家に帰ってきたときとかはつい聴いてしまいますね。今日もありがとうございます。

【関連サイト&試聴】
http://www.whatmusic.com/info/productinfo.php?productid=230&menulevel=home&returnurl=http://www.whatmusic.com%2Fhome%2Findex.php