Breakbeatsの車窓から
・Dabrye / Instrmntl
(2002, Eastern Developments Music)
お金がなく、また昔のを掘り返して聴いている今日この頃ですが、こちらもそんな感じで最近よく聴いているものです。Gilles PetersonやReclooseがこぞってフェイバリットに挙げていた、ビートクリエイターDabryeの1stアルバム『One/Three』に続く2ndアルバムはEastern Developmentsから。最近ではJay DeeやPhat Katなんかとも絡んでましたね。
DabryeことTadd Mullinixはデトロイト在住の弱冠24歳(現在)。2000年に、上述の『One/Three』に加え、本人の名義で『Winking Makes A Face』をGhostly Internationalからリリースしていて、Aphex TwinやJay Deeが好みとのこと。また同年にJames Cottonなる名義でデトロイト風味のフロア向けな12インチもリリースしています。
彼のトラックはエレクトリックなミニマルでファットなビートを多用していて、耳触りはJay DeeやAmmon Contactを思わせるような温かさを感じます。スムースなキーボードやエレピのループを使ったジャジーなトラックや、シンセによるオーガニックに漂う浮遊感が、さらにそう感じさせてくれるんでしょうね。エレクトリックでありながらも心地よく体に刻まれるアップテンポなビートとキーボードのループがかっこ気持ちいい「Intrctn.」[M-1]や、シンプルなダウンビートを基軸としていて、エレピのループが湖のほとりを思い浮かばせるようなサウンドスケープを描きだす「Evelyn」[M-6]なんかは、特に彼の特徴が現れてるトラックなんではないかなと思います。ときどきバウンシーな曲も見られたりしますが、テックダウンテンポみたいな曲もあるのでこれからの彼の飛躍ぶりがさらに期待できた作品です。
【関連サイト】
http://easterndevelopments.com/dabrye.shtml
【試聴】
http://www.heftyrecords.com/store/info/x20.html