Yesterdays Universe Vol.1

IziphoZam2004-11-19

Sound Directions / Skyscrapers
 (2003, Stones Throw)

 特に目標もないし今さらという感じですが5000 HIT達成しました。記念というわけではないですが、Madlibのインタビューにも載っていた、‘Yesterdays Universe’という、Yesterdays New Quintet(以下YNQ)のファミリーのコンピアルバムが今後リリース予定とのことなので、同名のタイトルをとり、彼ら(というのもなんですが)の特集をしたいと思います。いまとなっては高名となってしますが、CDでリリースされていない作品もあるので是非とも紹介させてください。
 第1回目は、昨年渋谷のHMV限定でリリースされたMadlibの新たな名義、Sound Directionsの1st7インチシングル「Skyscrapers / Travelin' Man」です。MadlibStones Throwの商品をチェックしてる人ならば、たぶん皆さん知ってると思います。曲のタイトルからもわかる通り、Eumir Deodato「Skyscrapers」(id:IziphoZam:20041015)、Stanley Cowell「Travelin' Man」のカバーです。
 あくまでもカバーなんですが、YNQ関連の作品では一番すきかも知れません。原曲をもとにしたメロディーや展開はもちろん、サウンド面でもめちゃめちゃかっこいいんですよ。この作品はMadlib『Shades Of Blue』のHorace Silver「Song For My Father」を演奏してたグループです。パーソナル(?)も含めて今回は1曲ずつ紹介したいと思います。

1. 「Skyscrapers」

;Personnel
:Morgan Adams III - Organ
:Malcolm Catto - Drums
:Russel Jonkins - Electric Muffle Bass
:Malik Flavors - Percussion

 埃がまうようなドライなMalcolm Cattoのドラムに、原曲のキーボードにひけをとらない、コズミック&ファンキーな雰囲気のオルガンの奏でるメロディーラインがたまりません。にわかジャズファンだからかもしれませんが、忠実に再演してるのではないでしょうか。あえて欲をいうなら、原曲の心に響くような気持ちのいいベースラインと図太さがもう少し欲しかったかなと。。

2. 「Traveln' Man」

;Personnel
:Morgan Adams III - Organ
:”Sloppy”Joe Johnson - Drums
:Russel Jenkins - Electric Muffle Bass
:Malik Flavors - Percussion

 Stanley Cowellの「Travelin' Man」は、私が知ってる限りでは『Musa-Ancestral Streams』(Strata-East, 1973)、『Regeneration』(Strata-East, 1975)、『Blues For The Viet Songs』(Arista, 1977)とありますが、おそらく音数の多い1975年のもののカバーではないでしょうか。旅のオープニングを飾るようなサウンドトラック的イントロから入り、心の奥底に眠る心魂を呼び覚ますようなベースラインとハンドクラップ/ドラムに、アーシーなオルガンと優しく語りかけてくるような親指ピアノの音色がのっかった、極上のMadlibスピリチュアルジャズファンクに仕上がっています。この曲は、YNQ関連の作品では、私の中では最高傑作ですね。
 中古屋などの店頭に並んでもけっこうな値段がついてしまうかと思いますが、ほんとにほんとにかっこよすぎるんで、そんときは有り金はたいてでも買っっちゃってください。