Neo Soulの車窓から


Van Hunt / Van Hunt
 (2004, Capital)

 Rahsaan Patterson『Love In Stereo』(99)、『After Hours』(04)に楽曲提供し、Joi『Star Kitty's Revenge』ベースで参加していたシンガーソングライターVan Huntのデビュー・フル・アルバム。
 歌/演奏だけでなく作曲・プロデュース・アレンジまで全てをこなすVan Huntは、オハイオ州デイトン出身で父親からの影響で聴きだしたPrinceにインスパイされ、シンガーソングライターの道を目指したそうな。またオハイオという、ファンクの代名詞的土地柄のせいか、スライを彷彿させるようなサウンドMarvin GayeCurtis Mayfieldといったソウルシンガーの先人たちを呼び覚ますような歌を聴かせてくれます。とはいってもそういった影響下/体現をしているソウル・アーティストはたくさんいます。やはり彼の逸材ぶりを表すのはそのソングライティングで、前述のサウンドを基盤に置きながらも、現代のフューチャリスティックなビート感覚や自身によるギターやベースの生演奏によって、先人たちの音楽性を現代風にうまく表現している「Hello, Goodbye」[M-3]や「Highlights」[M-7]、「Her December」[M-9]、ロックファンまでも飲み込んでしまうような「Dust」[M-1]と「Hold My Hand」[M-10]は彼の音の特徴がよく現れている作品ではないでしょうか。

【関連サイト&試聴】
http://www.vanhunt.com