Drum'n Bassの車窓から
・Peshay / Miles From Home
(1999, Universal-Island)
当時DJ Shadowともコラボしていたドラムンベース・アーティストPeshayが、Mo'WaxのオーナーJames Lavelleと作品内容でもめにもめた挙句に、Island Recordsに移籍してリリースされたデビュー・アルバム。
私が彼のサウンドを耳にしたのはMo'Waxから出されたInnerzone Orchestra「Bug In The Bass Bin」のリミックスで、Mo'Wax周辺の音に惹かれていた頃から名前は知っていたものの、彼がその以前に出していた12インチは当時学生だった私にとっては高価なものだったということや、ドラムンベースというジャンルに対して「ドープでアンダーグラウンド＝聴きづらい」という既成概念が強く、当時の私の音楽嗜好の幅の狭さから避けてしまっていて、最近まで彼のオリジナル曲を聴いたことはありませんでした。けれども最近300円という激安価格で購入し、ポータブルCDプレーヤーで再生した瞬間あまりのかっこよさに衝撃が走りました。アブストラクト・ヒップホップ/トリップホップ主流であったMo'Waxにドラムンベース・アーティストの彼が所属していたのもすんなり納得してしまうような内容で、同年に出されたInnerzone Orchestra『Programmed』(Talkin Loud/Planet E)に劣らぬ作品だと思います。自身のフェイバリットでもある70年代のジャズ/フュージョンからの影響か、予想とは反してドラムンベース一辺倒といった感じではなく、タイトなビートからエレクトロ、DJ Shadowのようなファットな生音ビートまで操り、また生演奏によるうねりまくりのベースと流麗なピアノ/フェンダーローズを多用していて、まさにジャジン・ブレイクスといった感じのサウンドです。J-Liveもゲストで参加。
