HipHopの車窓から


Kev Brown / I Do What I Do
 (2005, Up Above)

 Jazzy Jeff率いるA Touch of Jazzクルーの中でも、随一のソウルフルなプロダクションを見せる、メリーランドはランドヴァー出身Kevin BrownことKev Brownのデビュー・アルバム。
 ようやく待ちに待ったアルバムがリリースされます。アナウンスがネットで流れてからもうご存知の方もたくさんいらっしゃるかと思いますが、Jay-Z『The Black Album』の非公式リミックス盤『The Brown Album』を手掛けていたあの方です。disosさんとこ(2005年8月20日)にも詳しく書かれていますが、このデビューアルバムを待ちわびていたファンがたくさんいるように、彼の残してきた功績は多く、BBE:Beat Generation SeriesのMarly Marl『Re-entry』に一曲起用され、その後はDe La SoulやFreddie Fox、スタジオサポートでは9th Wonder、Biz Markie、Jewelなどと仕事をしてきました。最近ではCy YoungやGrap Luva(I.N.I)、Eric Robersonへのトラック提供、DJ Mitsu The Beatsのリミックスなど、ヒップホップファンに広く知られる存在となりました。まあ経歴はともかく、彼のトラックを聴いたことがある人ならわかると思いますが、最近の細々と出てきているジャジー・ヒップホップに見られるようなピアノ、キーボード、ギターなどといった音ネタを単純にサンプリングするのではなく、あたかもその楽器そのものから演奏される音が自然にループしているかのような、柔和な感触を持った浮遊サウンドを作り出しているところです。そして、そこから連動して起こっているものなのですが、彼のもう一つの特徴はそのソウルフルプロダクション。9th Wonderがアーバンなヒップホップ・ソウルだとすればKev Brownはルーラル、懐かしさを感じさせるヒップホップ・ソウル、なのではないかなーと思っています(偉そうですいません。。)。とりあえず気になった方は是非とも試聴してみてください。きっと彼のサウンドに病みつきになりますよ。このアルバムはホント大推薦作品です。

【関連サイト&試聴】
http://kevbrownmusic.com/
http://www.atojazz.com
http://www.upabove.com/press_kev_idowhatido.html