Jazzの車窓から

IziphoZam2004-09-28

Pharoah Sanders / Izipho Zam
 (1969, Strata-East)

 もうお分かりだと思いますが、この日記のタイトルの由来はこのレコードです。同時にスピリチュアルジャズに本格的にハマったきっかけでもあります。例のレコード屋の店員もお薦めしていたので、今年の1月に卒業旅行の途中で寄った大阪心斎橋のレコード屋Voxmusic」にて購入しました。再発盤ですが、私にとってとても価値のある音楽なのでとても大切に保管しています。
 簡単な紹介をしますと、Pharoah Sanders様はスピリチュアルジャズを代表するサックス奏者・演奏家/作曲家で、その音からもわかるように自己の宗教観や宇宙観、地球観などがとてつもなく強いずば抜けた心魂(精神性)の持ち主であると思います。リリースに関しては正直すべて聴いたことがないので何とも言えないですが、私は60〜70年代にかけてのImpulse!期の作品とIzipho Zam(Strata-East)が好みで、そういった精神が一番溢れている作品だと思います。
 この作品を一言でいうと音楽界のラヴロックといったところでしょうかね。収録曲数は3曲なのでざっとレビューを書くと、主な参加アーティストはCecil McBee(Bass),Sonny Sherrock(Guitar),Lonnie Liston Smith(Piano),Leon Thomas(Vocal&Percussion)といったところ。1曲目の「Prince Of Peace」はタイトルからも想像できるようなとてもピースフルな曲。シャンシャンシャンとリズムよく鳴る鈴の音に柔らかいタッチのピアノの旋律が流れ、ヨーデル歌唱法の雄Leon Thomasの声が延々と響きわたります。スピリチュアルジャズ特有のめまぐるしい展開はほぼないもののとても神秘的で優しい気持ちになれます。2曲目の「Balance」はその正反対とも言える曲で、フリーキーなサックスとギター、乱れ打ちのドラムがからみあって聴いている耳に襲いかかってくる感じです。3曲目の「Izipho Zam」は静と動の展開の切り替わりがはっきりしていて、サックスを吹くのが長続きしないことを窺わせます(笑)。そのため、とても緊張感があって展開が待ち遠しくなります。静の時間は様々なパーカッションが心に助走をつけさせ、動が始まると楽しくなるようなSonny Sherrock独特のギターが表れそのメロディーをPharoah Sandersのサックスがさらに助長させて心がウキウキしてきます。
 最後に「Izipho Zam」の言葉の意味をお教えしたいところですが実はわかりません。誰かわかる方がいらしたら教えてください。何語なんですかね。とりあえずスピリチュアルジャズが好きな方は是非とも聴いてみてください。