Brazilianの車窓から

IziphoZam2004-10-15

Eumir Deodato / Os Catedraticos 73
 (1973, Equipe)

 最近ツボな先日のQuarteto Edison Macahdoとはまた違ったブラジリアンな音楽を。ブラジルの音楽形態にも様々な形、例えばブラジリアン・ジャズ、ラテン・ジャズ、サンバ、ボサノヴァというふうに色々なカテゴライズがありながらも、国内に複数のルーツ音楽が存在しているために、ブラジル出身のアーティストは分類しにくいものが多いような気がします。それに私自身もまだまだ無知に近いような状態なのでなかなか難しいです。なのでこのはてなダイアリーでは今のところは、そういった音楽に影響を見られるブラジル音楽は“Brazilian”としてくくっていきたいと思います。今日のEumir Deodato『Os Catedraticos 73』はその中でもボサノバの影響が強いアルバム。
 Eumir Deodatoはブラジル・リオデジャネイロ出身のキーボーディスト/アレンジャー/プロデューサーで、今までにアメリカで16枚以上のプラチナレコードを得て、450枚以上のアルバムに名を刻んできました。先日取り上げたCTIレーベルやMCA、Warner、Atlanticといったレーベルに彼自身の作品を残し、60年代はブラジルポップス界の大御所Malcos Valleとコンビを組み名盤を生み出し、後にはKool & The Gang、Earth、Wind & Fireといった現在では高名なアーティストたちのアレンジャーとしても活躍してきたそうです。90年以降では、Bjorkの『Post』(1995), 『Telegram』(1996) 、『Homogenic』(1997)にアレンジングとして関わり、フレンチシンガーClementineのアルバムや最近では小野リサの作品をプロデュースしたり、また多くの映画スコアの仕事こなしてきたそうです。そして現在でもコンサートやフェスティバルを開催したりしてるそうです。
 大成功をおさめたCTIから発表した作品と同年の1973年に生み落とされた今作は、以前まで活動していたアメリカから彼の母国=ブラジルに戻って録音されたもので、レコーディングの地が変わったからかそれまでの作品とは少々異なるそうです。アルバム全体を通してボッサジャズが繰り広がれ、何よりも私が惹かれるのメロウなキーボード/オルガンと独特のグルーヴ感。特に、新旧問わず様々な方面のコンピに収録されてきた「Arranha Ceu(Skyscrapers)」[M-1]はこのアルバムの象徴的な曲で、グルーヴ感がたまらないベースラインにコズミックでファンキーなキーボードにホーン隊によるスリリングな展開に、ダンサンブルなパーカッションがグルーヴ感を助長している大傑作。「O Jogo(Soccer Game)」[M-4]はタイトルどおり昔のブラジル代表のサッカーゲームに合いそうなサンバチックな曲。サンバ風なパーカッション/ベースに、アップテンポなホーンとリズミカルなキーボードリフが黄金のカルテットを自在に操ってしまうかのようなナンバー。他にもメロウ・グルーヴな曲がたくさん収録されています。
 私はこのアルバムしか聴いたことないのですが、もうこのアルバムだけでだいぶ好きになってしまいました。それと彼のバイオグラフィーからしても何か魅力的ですしね。Madlibも好きなのが納得できます。ある意味似てますものね。

【関連サイト】
http://www.eumirdeodato.com/