Yesterdays Universe Vol.8

IziphoZam2004-11-30

Malik Flavors / Ugly Beauty
 (2004, Stones Throw)

 過去の作品ばかりなのでマンネリ化しつつある特集ですが残りわずかなので頑張って書きたいと思います。今日はYesterdays New Quintetのメンバーのソロリーダー作名義としては特にスピリチュアルで一番好きな作品、パーカッショニストMalik Flavorsによる7曲入りEP「Ugly Beaty」。

Malik Flavors : Percussion, Organ & Synth
Tyrone Foster : Guitar
Kamala Walker : Flute, Arp, Congas
Junior Taylor : Piano, Rmi, Moog
Kay Henderson : Elec Fuzz Bass, Muffle Accoustic Bass
Duma Peterson : Drums, Drum Loops

 この作品はセックステット編成で、YNQ関連の中でも特に音数が多く、ジャズファンク色の強い他作品と比べるとフリー/スピリチュアル的要素が濃ゆい内容となっています。パーカッショニストのリーダー作ということで、全編的にブラックジャズを意識したかのようなダンサンブルでアフロ的な匂いがあるんですが、そこはYNQということだけあってムーグやオルガンなどの鍵盤によって心地よいメロディーが流れています。
 中でもオススメは、ゆったりとした曲の多い前半に比べるとスリリングな展開を見せてくれる後半の曲群は最近の様々なNu Jazz作品の中でもかなり特出した作品となっていて、とてもかっこいいです。は疾走感溢れるベースラインとドラムに、可愛らしく弾かれるシンセが絶妙にマッチした「Serenade For A Fast Lady」[M-5]、Don Cherryの作品を彷彿させるようなフリージャズ的に乱れ打たれるドラムインプロゼーションに、エレピからシンセまで様々な鍵盤楽器が織り成しあい、美しくサウンドスケープを描き出す「Many Thoughts」[M-6]、そして「Prelude」[M-1]でも見られたダンサンブルで図太く刻まれれ、あいまあいま微妙にずらしてるところが憎いドラムループに、リズムが気持ちいいいエレピからグルーヴィーにかつコズミックに即興されたかのような、ムーグシンセのブリブリ音がまたかっこいい「Main Expansion」[M-7]。この3曲が特に好きなんですが、全曲、EPの流れともに最高で是非ともCDでもリリースしてほしいものです。

【関連サイト】
http://www.stonesthrow.com/records/sth2072.html
【試聴】
http://www.undergroundhiphop.com/store/detail.asp?UPC=STH2072LP