Future Soulの車窓から

IziphoZam2004-12-28

Cai / Confessions Of A Soul Digger
 (2003, Out Of The Loop)

 アルバムリリース前から、自身の名義Cai Bojsen-MФllerとIdiot Savant名義で欧州を中心にエレクトロニカ・アーティストとして注目を集め、本作の名義ではDonny Hathaway「The Ghetto」のカバーで話題の人になった、デンマークコペンハーゲン出身の新鋭クリエイターCaiの1stフルアルバム。
 デトロイトテクノに刺激を受けたことがきっかけで本格的に音楽活動を始めたという彼は、96年頃から自身のレーベルとともに音楽制作を始め、今までに数々のリミックスや作品を手掛けてきたらしく、多くのコンピレーションアルバムに収録されてきたみたいです。そんな彼はStevie WonderJohn ColtraneMax Roach、Hamilton Bohannonがフェイヴァリットらしく、北欧独特の温かいフューチャリスティックなダウンテンポ・ソウルを聴かせてくれ、また本作にはStevie Wonder「Blcak Maybe」のカバーが収録されています。
 別名義ではエレクトロニカ・アーティストとしてくくられていたそうですが、この名義ではギターやキーボード、フルート、アコースティック・ベースを中心としたジャジーなソウル・トラックを奏でています。中でも私的オススメは、Sun Ra「Nuclear War」のピアノの旋律のコラージュに、Dudley Perkins「Flower」のようなどこか懐かしいビートが絶妙に心地よい「Burt's Theme」[M-3]。Blossom Dearie的にキュートな女性ボーカルと、ハイハットとコンガによるブレイクビーツがとても美しい「Tears In Her Eyes」[M-10]。清らかなヴィブラフォンと哀愁漂うギターの音色がとても気持ちいい「Swell Space」[M-12]。日本盤(P-Vine)には冒頭に述べたカバー曲が収録されているのでお金に余裕がある方はそちらの購入をオススメします。相変わらず北欧出身のアーティストの作品は打率が高いですね。そんな北欧に一度でいいから是非とも行ってみたいです。

【関連サイト】
http://www.cai-bojsen.dk
【試聴】
http://www.djnexus.com/main_view.cfm/a/42892/Cai