Jazzの車窓から


Hubert Laws / The Rite Of Spring
 (1971, CTI)

 ジャズ、クラシックと両サイドで活躍してきたフルート奏者Hubert Laws(ヒュバート・ロウズ)が、豪華な面々を率いて1971年に録音した作品。
 本作はジャズ、クラシック、どちらとも言い難い作品なのですが一応ジャズ・フルート奏者としてのほうが高名なのでジャズということで取りあげます。Hubert Lawsは父を抜かした全員が音楽家という家庭で育ったせいか、幼い頃からピアノ、アルト・サックスなどのレッスンを受けてきたとか。高校時代になってひょんなきっかけからフルートをプレイし始め、以降ローカルな様々なジャズ・バンドでの活動し、それと並行してクラシックの音楽院にも通っていたそうです。そんな彼がジャズと同等に興味を湧かせてきたクラシックへの想いを寄せた作品が本作で、ドビュッシーやバッハなどの曲にジャズのアレンジを施し、また豪華な面々と共に独特のジャズ/クラシック音楽を奏でています。まああくまでクラシックのカバーということで、ジャズ特有の緊張感などは薄く、どちらかというと退屈な音楽として見られている本作ですが、ヴィブラフォンとフルートの音色が牧歌的というか、この上なく朗らかで、控えめに入るパーカッション/ドラムがさらにそれを助長させてくれていて、どこか懐かしさを感じさせてくれるところがとても好きです。オススメはエレピやギターなども交えた、スピリチュアルな空気も持つ表題曲「The Rite Of Spring」[M-2]。それにしてもメンバーが豪華すぎますね。

【【Personnel】】
Hubert Laws : Flute
Gene Bertoncini : Guitar
Stuart Scharf : Guitar (‘Brandenburg Concerto only' )
Ron Carter : Bass
Jack DeJohnette : Drums
Dave Friedman : Vibes/Percussion
Bob James : Piano/Electric Piano/Electric Harpsichord
Wally Kane : Bassoon
Jane Taylor : Bassoon (‘Brandenburg Concerto only' )
Airto Moreira : Percussion

【試聴】
http://www.artistdirect.com/nad/store/artist/album/0,,118548,00.html