Jazzの車窓から


Kellee Patterson / Maiden Voyage
 (1973, Black Jazz)

 今日はまたまたBlack Jazzの再発から。ブラック・ジャズ・ファンのみならずソウルジャズ・ファンにも人気の女性シンガーKellee Pattersonの大名盤『Maiden Voyage』の再発盤。
 Kellee Pattersonはシカゴ近郊の中西部出身/インド育ちのシンガーで、ローカル・タレントとして数々の賞を獲得、黒人女性として初めてのミス・インディアナ、71年のミス・アメリカ候補と、様々なところで名前を挙げていたがきっかけで多数のレコーディング・オファーが殺到し、そこで名乗りを挙げていたBlack Jazzと契約するに至ったそうな。本アルバムは、単調なジャズ・ボーカル・アルバムではなく、全体的にエレピとフルートを多用したジャズ・ファンク/ソウル・ジャズ寄りの曲で、彼女の艶やかでありながらもキュートな歌声が存分に堪能できる作品で、タイトルからもわかるように、Herbie Hancockの名曲「Maiden Voyage(処女航海)」をカバーしています。とはいってもこのアルバムでのハイライト的曲はやはり「Magic Wand Of Love」[M-1]。私はBlack Jazz Recordsのコンピでこの曲を初めて聴いたときあまりの曲の良さに感動してしまいました。幻想的なフルートのイントロで始まり、シンプルなスローテンポのドラム/タンバリンとベース、小川のせせらぎのように静かに流れるエレピの音色といったシンプルな構成に、楽器から奏でられる音だけでなく“歌”という素晴らしい音もあるのだとついつい実感してしまうような、音楽を好きで良かったと感じてしまうような歌声とそのメロディーがあまりにも素晴らしすぎて言葉がありません。この曲は音楽が好きだという方には是非一度聴いてもらいたい名曲です。試聴を今すぐクリックです。

【関連サイト&試聴】
http://www.bls-act.co.jp/music/detail.php?wpid=2493<id=21