Breakbeatsの車窓から


Nobody / And Everything Else
 (2005, Plug Research)

 今年のPrefuse 73の来日公演で密かにサポートDJとして客演していた、もじゃもじゃ頭のサイケデリック・ビート・マスターElvin EstelaことNobodyの2年ぶり通算3枚目となるアルバム。
 前作『Pacific Drift : Western Water Music Vol.1』(2003, Ubiquity)で、60年代のサイケデリック・ロックを中心にコレクトするヴァイナル・ジャンキーぶりを見せつけ、今までありそうでなかった西海岸の開放的な空気をも感じさせるようなダウンテンポ・サイケデリア・マスターとしてその名を知らしめたNobodyのアルバムがついにPlug Researchからリリースされることになりました。今回はその作品同様に、キーボードやヴィンテージっぽいシンセを多用した爽やかでサイケ感のあるサウンドを基調としながらも、キックやスネアといった一つ一つを音を緻密に構築したビートによるミディアムテンポのトラックを主体とし、1stアルバムでも披露した彼のもう一つのルーツであるヒップホップが全面に現れた作品となっています。また、前作でThe Monkeesの「Porpoise Song」をカバーしていた、Beachwood SparksのChris GunstとThe Aisler's SetのJen CohenからなるMystic Chords of Memory、同じくBeachwood SparksのFarmer Dave Scherをゲストに迎え、今回はNobodyが90年代のフェイバリット・ソングに挙げるThe Flaming Lips「What is the Light?」をカバーし、他にもレーベルメイトでもあるMia Doi Toddや盟友Prefuse 73、メキシコ人ラッパーXololanxincoと、彼の幅広いコネクションを活かした面々が名を連ねています。

【関連サイト】
http://www.plugresearch.com/plg64.html
【試聴】
http://www.boomkat.com/item.cfm?id=17091
http://www.juno.co.uk/products/179065-01.htm