Breakbeatsの車窓から


Four Tet / Everything Ecstatics
 (2005, Domino)

 前作『Rounds』以降フォークトロニカというメディアの声を吹き飛ばし、フリージャズやポスト・ロック、ヒップホップなど全てを呑み込んで放つ、ポスト・ロック・バンドFridgeの中核でもあるKieran Hebdenのソロ・プロジェクトFour Tetの通算4枚目となるアルバム。
 アコースティックな響きをもつエレクトロニカ=通称フォークトロニカの先駆者的存在として採り上げられることの多い彼ですが、自身がその括りを嫌っていることの現われでもあった前作同様、Max Roachなど高名なフリー・ジャズ・アーティストを思わせるような、煌びやかでメランコリックなサウンド・アプローチの中に疾走するインプロヴィゼーションブレイクビーツは今回も健在。更に今作では、Prefuse 73RadioheadMadlibなとの交流の影響もあってかうねるようなベースやヒップホップ的ビート、初期のような牧歌的アレンジも聴かせ、昨年リリースされた『LateNightTales』の内容が凝縮されたメロディアスなラップトップ・フリー・ジャズといった感じで、今回もストーリー性が汲みこまれたかのようなアルバムの流れも最高の出来となっています。

【関連サイト】
http://www.dominorecordco.com/site/index.php?page=artists&artistID=60
http://www.fourtet.net/site/site.php
【試聴】
http://www.cisco-records.co.jp/cgi/title/techno/detail_133775.php
http://www.dominorecordco.com/site/minisites/fourtet/loader_content.html