Jazzの車窓から
・Philip Cohran and The Artistic Heritage Ensemble / On The Beach
(1967, Zulu Records)
50〜70年代にSun Ra Arkestraの一員として参加していたPhilip Cohranが、自身のレーベルZulu Recordsに唯一の残した作品の再発盤。
Philip Cohranは、西アフリカを中心としたアフリカの伝統民族楽器カリンバ(通称親指ピアノ)を初めてアメリカに伝えた人物らしく、フランキフォンと呼ばれる独自にアンプを施した電子親指ピアノも製作したとか。本作は彼が演奏するそれらの楽器を中心に、Sun Ra作品を思わせるようなサックスやフルートといった管楽器の響きやパーカッションのアンサンブルによって構成された、何とも形容し難いプリミティヴでエキゾチックなアフロ・ジャズ。まさにアコースティック/エレクトリック・ピアノを演奏するSun Raの変わりに親指ピアノを弾くPhilip Cohranが中心となったような、後のEarth Wind and FireやAACM、The Pharoahsなどに繋がっていくサウンドを演奏しています。紙ジャケCDケースもチープな手作り風でまたいい感じです。確かリミテッドだったような気がするので、この手の音が好きな方は見つけたら是非。