HipHopの車窓から


S.E.V.A. / S.E.V.A.
 (2005, Mush)

 以前にも紹介した、Aceyalone『A Book of Human Language』のプロデューサーであるMumblesことMatthew Fowlerと、Gone BeyondことDahvin Bugasによるインスト・ヒップホップ・デュオS.E.V.A.のデビューアルバム。
 徐々に高まりつつある評価を受けてか上述の作品のインスト盤が今年CDでもリリースされ、ちょうど名実共に認められつつある彼が新たなプロジェクト・チームを組んだみたいです。アルバム・タイトルの“S.E.V.A.”とは「Spirit Evolves Via Awareness」の意で、彼らのヒップホップやジャズへの敬意や人間のもつ霊的な部分といったスピリチュアルな哲学を反映させたものだとか。サウンドのほうは、Mumblesの前作同様にアブストラクト・ヒップホップ全盛期を思わせるようなダウンテンポなトラック中心で、哀愁を感じさせるアコースティックギターやピアノのシンプルな音ネタと緻密に構築されたドラム・ブレイクスによって構成されながらも、見事に独自の音空間を作り上げています。こんな感じのドープなアルバムは最近なかったのでこれはオススメだと思います。

【試聴】
http://www.accesshiphop.com/store/?itemid=9517
http://www.midheaven.com/labels/mush.html