Jazzの車窓から


Dave Mackay & Vicky Hamilton / Dave Mackay & Vicky Hamilton
 (1969, Impulse!)
 (2005, Celeste)

 ピアニスト/作曲家であるDave Mackayとシンガー/作詞家であるVicky Hamiltonが1969年に録音したファーストアルバムで、インパルスに残した一作目の再発盤。
 今年にCelesteから素晴らしい再発盤が続々と出ていたものの、金銭的余裕がなくなかなか手が出なかったのですが、最近中古屋に入ると欲しかったものが破格値で見つかるという幸運がまたもや起こり、本作を即購入。再発されたばかりの頃に試聴してやられた一枚なのですが、こう購入してじっくり聴いてみるとやはり最高でした。作曲を手がけているDave Mackayなる人物は、幼い頃から盲目ながらも幼少時代から音楽づけの学生生活を送り、数々のジャズ・ミュージシャンとの共演を果たしてきたらしく、シンガーであるVicky Hamiltonとの出会いによって自身の作品のための初レコーディングを試みたとか。また、翌年にはギタリストJoe Passをゲストに招き、同じくインパルスからアルバム『Rainbow』をリリースしたそうです。そんな彼らが吹き込んだ本作は、小川のせせらぎや小鳥のさえずりが聴こえてきそうなジャケット写真のように、まさしく“エヴァーグリーン”という言葉が似合うジャズ・ヴォーカル・アルバム。アコピとエレピ(フェンダーローズ)を曲調によって見事に使い分け、朗らかな気持ちにさせるフルートや心地よく刻まれるパーカッション、スキャットがかったVicky Hamiltonの歌声による調和が美しく、またサンバや映画音楽から影響を受けたようなアレンジもまた素晴らしい、聴く者をプリミティヴな気分にさせてくれそうな一枚。試聴が少ないのが残念ですが、レコードショップの店頭などで見かけたら是非とも聴いてみてください。

【関連サイト】
http://clst.jp/
[enter]→[catalogue]→[Dave Mackay & Vicky Hamilton]
【試聴】
http://www.artrock-1.com/page/jazz_new_050109.html