Nicole Willis And The Soul Investigators / Keep Reachin' Up
 (2006, Timmions)

 昨年Gille Peterson「Worldwide Award 2005」の“Track Of The Year”にノミネートされたことで一躍脚光を浴びることとなった、北欧発ディープ・ファンク/ノーザン・ソウル・バンド=Nicole Willis And The Soul Investigatorsのデビュー・アルバム。
 いやーついにリリースされましたね。新星というと、個人的にヒップホップ勢がやはり一番気になっているのですが、本作も今年期待されている注目作の一つではないでしょうか。シングル・リリースの時点でNicole Willisという人は全く知らなかったのですが、アシッドジャズ旺盛の頃にひそかに人気を集めたRepercussionsの元ヴォーカリスト、Jimi Tenorの妻というブランドを持ちったソロ・アルバムも内容的に評価を得ていたらしく、当バンドはフィンランドのディープ・ファンク・バンドと組んだプロジェクトであるとか。しかもThe Five Corners QuintetのJukka Eskola、Teppo Makynen(Teddy Rok Seven)、QuintessenceのAki Haaralaらもメンバーに名を連ねているという、もう想像しただけでお腹いっぱいになりそうなバンド。となるとまた北欧独特の空気を持ったクラブ・ジャズ?みたいに思ってしまいますが、ノーザン・ソウル・マナーを忠実に守った、60年代後半の香りを再現した現在進行形ファンク。60〜70年代へトリップしてしまいそうなストリングス、ついつい腰を動かしてしまいたくなる太いベースラインにアップテンポなドラム、心の旋律を操るようなギター、ホーンが作り出すメロディーは現行のダンスミュージック・ファンを回顧的な気持ちにさせてしまうような趣きがあります。これは当分ヘビロテになりそうです。

【試聴】
http://www.timmion.com/recordshop.aspx
http://www.bls-act.co.jp/music/detail.php?wpid=3142<id=25