Gil Scott-Heren/Brian Jackson / Winter In America
 (1974, Strata-East)
 (1998, Rumal-Gia)

 ポエトリーな歌唱で知られる詩人Gil Scott-HerenとピアニストBrian Jacksonとのコンビで、Strata-Eastに唯一残した大名盤。
 昨年リイシューもので購入した中で最も心射抜かれた作品。今頃コレ聴いたのかよって感じですが、いろんなとこでそのようにこのアルバムが語り継がれている理由がよくわかりました。こんなにも心に残る名盤に出会ったのは久々でした。実に素晴らしいです。歌とは多少言い難い、表情に変化を付けた熱情的なポエトリー・ヴォーカルはもちろん、ただでさえたまらないフェンダー・ローズやアコピのメロディーが描く情景がもう言葉に出来ないくらい美しすぎます。ジャズ・ファンク系リスナーからは、ファンキーな歌い口調とアップテンポな曲調から「The Bottle」[M-5]が大人気のようですが、私的にはもうゆったりしたピアノの旋律に心動かされる「Rivers of My Fathers」[M-2]と、フェンダー・ローズとフルートの美しすぎるメロディーが疎遠な父への想いを心全体に巡らせるような「Your Daddy Loves You」[M-7]がたまらなく大好きです。大切な人やモノへの想いを募らせたときについこの曲を聴いてしまいます。その他の曲を合わせても、まさしく一家に一枚の大名盤だなと思わせる作品。もう手放せません。ライナーの裏側の、あらゆる写真を切り取って作られた絵もとても印象的で素晴らしいので、手に入れたらそちらも是非見てみてください。

【試聴】
http://www.cduniverse.com/search/xx/music/pid/1018982/a/Winter+In+America.htm