Reggaeの車窓から

IziphoZam2004-10-13

V.A. / 100% Dynamite!
 (1998, Soul Jazz)

 現在では600%までリリースされた、Soul Jazz Recordsのジャマイカソウル/ファンク/スカ/ロックステディのコンピシリーズ第1弾『100% Dynamite!』。昔相当聴いてたんですか、今日はなんか無性に久々に聴きたい気分になったので今回はこれを。
 60〜70年代のユニークで画期的なサウンドの曲が多く、The MaytalsやThe Upsetters、ジャマイカンジャズの精髄Tommy McCook、Johnny Osbourne、ジャマイカンファンクで高名なJackie Mitoo、Sound Dimensionなどのアーティストが収録され、アルバムタイトル通りスカ/ロックステディを基調としつつも、アメリカのジャズやファンク、ソウルミュージックに影響を受けたクロスオーバーな曲がそろっています。The Upsetters「Popcorn」[M-4]なんかはアップテンポなドラムに激グルービーなベースでついつい踊らされてしまうような極上のファンクですし、Brentford All Stars「Greedy G」[M-6]はところどころに入るドラムエコーとファンキーなギターがループしていて、ラップを加えたら誰もがヒップホップと思ってしまうような曲です。Johnny Osbourne「We Need Love」[M-8]は私の今アルバム中最も好きな曲で、タイトルどおりたまらず感涙してしまうような一曲。私の好きなハモンドオルガンによる心にぐっと染み入るメロディーと、“We Need Love(=私達には愛が必要)”と彼の心魂/精神をすべてぶつけたソウルフルな歌声が情動を喚起させてくれます。そして圧巻は後半のオルガンソロで、こんな泣きそうなメロディーを奏でられたらもう誰もが涙してしまうんではないでしょうか。Bob Marley「No Woman No Cry」と並ぶ名曲といっても過言ではありません。Sound Dimension「Granny Scratch Scratch」[M-11]は図太いベースに埃のかぶったようなめちゃローファイなドラムに、ひそかにバックで鳴っているタンバリンとカッティングギターがいいアクセントになっている、激ドープでかなりかっこいいです。ブレイクのタイミングで高音・低音を強調したりするところなんかはMadlibが相当好きそう。
 このアルバムに収録されている曲たちは、逆にファンクやソウルのアーティストたちがジャマイカ音楽に影響を受けてできた曲といわれても違和感がないように思えます。私の音楽の幅を広げてくれたそんな一枚でもあります。

【関連サイト】
http://www.souljazzrecords.co.uk/100percent.htm