Jazzの車窓から

IziphoZam2004-10-26

Don Menza / First Flight
 (1977, Catalyst)
 (2003, P-Vine)

 76年に設立された西海岸のジャズレーベルCatalystが擁する、テナーサックス奏者Don Menzaの世界初CD化の77年発表のセカンドアルバム『First Light』。さすが日本が世界に誇るP-Vineさま。ホント大好きです。CatalystStrata-EastやBlack Jazz、Tribeといった、ブラックジャズ専門のレーベルに見られるスピリチュアリティの中に芸術性みたいなものが感じられて、それらのレーベル同様に大好きなレーベルです。
 Don Menzaは、常に宗教観や精神性を反映させたスピリチュアルジャズ特有のフリーキーなスタイルではなく、フレーズのアイデアが多彩というのが特徴的なテナー奏者ですかね。けれどもどこかそういったスピリチュアリティなども兼ね備えた曲に仕上がってるのが、ついつい私が聴いてしまう理由でしょうか。彼のフレーズのアイデアは略歴にも現れており、Louie BellsonやBuddy Richといった数々のビッグバンドを渡り歩いたそうです。ビッグバンドはあまり今の好みではないのでよくわからないんですが、そのような高名なアーティストの元で活動することが彼の鍛錬されたテナーサックスを生み出したのでしょうね。
 高速モード・ジャズにブラジリアンなグルーヴとサンバを思わせるパーカッションがリズミカルに跳ねる「Samba De Rollins」[M-5]、「April's Fool」[M-7]がこのアルバムの顔ともいえる最も特徴的な作品なんですが、私が一番好きなのは「Mz. Liz」[M-2]。静かながらも力強く、聴く者を優しく包容してくれるかのようなテナーサックスに、中盤に入るリズミカルで天の川を流れるような美しいエレピのリフは、もう気持ちよすぎて最高にかっこいいです!これサンプリングして曲作ったら悪いもんできないと思うくらいこのリフは好きです。まさにこのジャケットの写真をそのまま曲にしたかのような曲です。