中南米音楽/音響の車窓から

IziphoZam2004-10-30

Juana Molina / Segundo
 (2000, Bla Bla)

 ここ1、2年で急激な盛り上がりを見せてきている‘アルゼンチン音響派’といわれるアーティストの一人Juana Molina(フアナ・モリーナ)の通算2枚目、彼女の名前を世に知らしめたアルバム『Segundo』。まったくノーチェックのアーティストだったんですが、この顔が髪の毛で隠れてしまってるインパクトのあるジャケットに引かれてついつい手にとっていました。こういう狙って撮った写真とかけっこう好きなんです。
 公式HPを見る限り、この作品はたぶん母国のインデペンデントレーベルBla Bla Disosから2000年にリリースされたと思うんですが、より世に出回るようになったのは2001年だと思います。今年3rdアルバム『Tres Cosas』がリリースされ、このアルバムもDominoから再リリースされてましたね。
 タンゴ歌手の父を持つフアナ・モリーナは、アルゼンチン・ブエノスアイレス出身のSSW。94年から本格的に音楽活動を始め、96年に1stアルバム『Rara』を発表。このアルバムに収録されていた曲がある映画のサウンドトラックにも収録され、彼女の名は徐々に世に知れていきました。それもあってかキーボーディストとしてだけでなく、民族楽器も多用する音響アーティストAlejandro Franov(アレハンドロ・フロノフ)と、‘アルゼンチン音響’の火付け役でもあるギタリスト/音楽プロデューサーのFernando Kabusacki(フェルナンド・カブサッキ)が今作に関わっているそうです。
 彼女の音楽の特徴(というか私が好きなところ)は、透き通るような優しすぎる歌声と心に響き渡るソングライティング、そしてアルゼンチン音響派の重鎮による芸術的な音響空間の演出です。全般的に用いられるギターの美しい旋律や、加工された民族楽器の音によるリズムと時折用いられるヘロへロンとしたキーボードの音色がとても気持ちよく、これまた聴者に素晴らしい自然美の情景を描き出してくれます。気持ちよく晴れた休日に家でゆったりとコーヒーを飲みながら、本でも読みながら聴きたいですね。彼女の神秘的で優しく包み込んでくれるハスキーな歌声と気持ちよく空気を伝わる美しいサウンドは、いつも脳内に夢世界という音響空間を作り出してくれます。
 下の公式HPで(これまた可愛らしい!)何曲かのフリーmp3が落とせるので今すぐGOです。

【関連サイト】
http://www.juanamolina.com/