Neo Soulの車窓から

IziphoZam2004-12-16

Eric Roberson / The Vault Vol. 1.5
 (2004, Steel Petal)

 ネオソウル界が誇る、ニュージャージー州ラーウェイ出身のシンガーソングライターEric Robersonの通算3枚目となるアルバム『The Vault Vol 1.5』。
 通算3枚目ということですが、彼のキャリアはアルバム以外にもたくさんあるみたいで、94年にデビューを果たしながらもいったんは学業に専念するために戻ったものの、卒業後再びソングライティングの道に戻ることを決意し、Warner BrosからPhajjaというグループでのリリース、『Wild Wild West』のサウンドトラックや、DJ Jazzy JeffのA Touch Of JazzプロダクションやOsunladeのYorudaレーベルとも関わり、MusiqJill ScottDweleなどに楽曲を提供したりシンガーとして参加し、Erro名義としても活躍してきました。
 そんな彼の本作は、今やコレクターアイテムとなってしまっている『The Vault Vol.1』のリテイクを含むアルバムで、前述のOsunladeや同じくA Touch Of JazzのKev Brownなんかも楽曲提供/プロデュースで参加しています。この人の歌声の特徴は、甘くもなく男臭くもないとても柔らかい感じで、ライムするようなボーカルだと私は思います。Dweleと同様にソングライティングも自身でこなし、インストとしても満足できそうな、ウーリッツァーやローズといったエレピによる心にグッとくるようなメロウなメロディがやはりたまりません。また、「Change Fo Me」[M-11]を除いて、全編的に施される有機的な温かみのある優しいビートが素晴らしくかっこよく、それを更に助長させてくれます。
 オススメはキラキラとしたバックトラックに叙情的に歌う彼のボーカルが心に染み入る「Right Back To You」[M-2]、そしてDJ Jazz Jeff『Magnificent』にも収録されているKev Brownプロデュースによる、キーボードのループが哀愁を漂わせる「Rock With You」[M-10]。イヴのBGM、クリスマスプレゼントに困ってる方は是非とも試聴してみてください。お一人身の方も是非。

【関連サイト&試聴】
http://www.ericrobersonmusic.com