Brazilianの車窓から


Dom Um Romao / Dom Um Romao
 (1974, Muse)

 初期Weather Report、60年代初頭のSergio Mendesのグループに在籍していたことで知られるパーカッション奏者Dom Um Romao(ドン・ウン・ロマン)の1973年録音の初リーダー作。
 ジャズ・ファン、ブラジリアン・ミュージック・ファン両サイドから愛されている有数のアーティストの一人で、クラブ・ミュージック・サイドからのファンも多いためか、最近ではリミックスなどで若年層にもよく知られるようになったDom Um Romao。ドラマーであった父の影響でドラム/パーカッション奏者としての道を歩み始めた彼は、Sergio Mendesのグループに参加するようになってから広く知られるようになり、その後にCannonball AdderlyやHerbie Mannなどの大物ジャズマンと共演、ボサノバ方面ではAstrud GilbertoやAntonio Carlos Jobimの作品に参加するようになったとか。ジャズとブラジリアン、両サイドから評価を得、71〜74年にWeather Reportに在籍するようにまでなった彼が73年に録音した本作は、数多くのジャズ・ミュージシャンが残したボサノバ/ブラジリアン作品とはやはり一味違って、軽やかすぎず力強すぎないリズミカルなドラミングとラテン/サンバ特有のパーカッション・グルーヴをしっかりと持ち合わせていて、彼が世に出てから現在に至るまで多方面から愛されてきた理由がわかるような楽しいサウンドを聴かせてくれます。

【試聴】
本アルバムの音源が見付からなかったので似たような作品で。
http://www.mp3.com/index.php?type=1&arid=95947§=songs&pg_track=2