Breakbeatsの車窓から


Dimlite / Runbox Weathers
 (2005, Sonar Kollektiv)

 1980年、スイス出身、同国ベルン在住というSonar Kollektivからの新たな新鋭サウンド・クリエイターDimliteのデビューアルバム。
 以前紹介したコンピ『The Now Factor』でも一際異彩を放っていたDimliteの待望のフル・アルバムということでこれは大推薦せねばと思ったのですが、Sonar Kollektivのサイトにも彼のバイオグラフィーがほとんど記されてなく、googleで本作を検索しても英語以外の言語による詳細ばかりで全く彼について調べられませんでした。でも正直、略歴等はあくまでその作品に付随されているものですから試聴で音の素晴らしさが分かれば十分ですよね。ということでとにかく試聴をしてみてください。上述の作品に収録された曲でもそうでしたが、ブレイクビーツ/インスト・ヒップホップ作品としてはホント久々にヤラれました。全編的に浮遊感のあるシンセと重たく圧し掛かるようなファットなビートを多用し、Prefuse 73的なグリッチカットアップやDabrye、Jazzanova「The One-Tet」を彷彿させるようなジャジーサウンド・コラージュ、鳥の声やエレピ、ギター、ハープなどのオーガニックで優美なサンプル音、レコードのノイズを用いたJan Jelinekのようなミニマリズムなど、次世代テクスチャアを全てを兼ね備えた、アトモスフェリックな近未来的サウンドスケープ・シンフォニーを奏でています。これは今後リリースされる注目作たちを忘れてしまうくらい意表を突かれた強力盤です。是非今すぐ試聴を。

【関連サイト&試聴】
http://www.rawberrys.com/dimlite/
http://www.sonarkollektiv.de/artists/dimlite
http://www.sonarkollektiv.de/releases/SK060CD
http://www.soulseduction.com/common/item_detail.php?ItemCode=B183064