David Thomas Broughton / The Complete Guide To Insufficiency
 (2005, Plug Research)

 イギリスはリーズの音楽シーンに長年携わってきた孤高のシンガー・ソングライターDavid Thomas Broughtonが地元Birdwarからリリースされたデビュー・アルバムのPlug Research盤。
 昨年Animal CollectiveやDevendra Banhartらの新作、Vashti BunyanJudee Sillの再評価などによって、ようやくここ日本でもコンテンポラリー/アシッド・フォークが再燃していましたが、今日はその熱を持った方に是非聴いて頂きたい一枚を。David Thomas Broughtonについて詳しいバイオは分からないのですが、本作は死、戦、愛、セックスを題材にした叙情詩作品。ほぼアコギとヴォーカル、チープなドラム・マシーンによって構成され、全くもってシンプルなフォーク・サウンドではありながらも、時折施されるリバース、教会で録音されたために起きるリヴァーヴ音響効果が壮大な雰囲気を演出する、1曲平均8分計40分の長編ミニマル・フォークであります。アコギの寂しげなコードと愁いを帯びたような歌声が心に染み入る「Unmarked Grave」[M-3]が美しすぎます。アコギの音色の素晴らしさと、Plug Researchの底知れなさを再認させてくれるアルバム。

【関連サイト】
http://www.birdwar.com/broughton.htm
【試聴】
http://www.plugresearch.com/plg60.html
http://www.myspace.com/davidthomasbroughton