Rahsaan Roland Kirk & The Vibration Society / Rahsaan Rahsaan
 (1970, Atlantic)
 (2002, Atlantic/Collectables)

 同時に数本の管楽器を演奏し、また盲目のマルチ・リード奏者としても知られるRoland Rahsaan Kirkの70年NYCライヴ録音盤。
 と、あたかも彼についていろいろ聴いたきたように述べてますが、彼のオリジナルアルバムを聴いたのはコレが初作品。個人的に好きなアーティストが度々フェイバリットに挙げていたのですごく気になってはいたのですが、その演奏スタイルからしてフリー色が強いのだろうなーと思っていてなかなか手が出なかったのですが、これはある意味当たり的なとても聴きやすいアルバムだったので紹介しようと思います。彼のいろんな作品のレビューを読むと、けっこうドロドロした感じの内容が多いようですが、本作は彼のスタイルであるリリカルな、揺動もった息吹を直にサックス、フルート、クラリネットなどを通して表現された作品で、とても心に染み入る作品。スピリチュアルでスリリングな展開を見せる4部構成の「The Seek」[M-1]、60〜70年代の映画を思わせるようなシネマティックな演奏が心地よい「Satin Doll」[M-2]、そしてPharoah Sanders「Prince of Peace」にも匹敵するような、ミディアム・テンポのドラムス/パーカッションに叙情的かつ美麗なピアノ・リフが絡む「Sweet Fire」[M-4]が実に最高過ぎます。もうホント、言葉足らずで悔しいのですがこの曲だけで涙1リットルくらい出せそうなくらい素晴らしい曲だと思います。

【試聴】
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